水中音響・ソナー技術入門

CHAPTER 08 · TARGET MOTION ANALYSIS

一本の方位線から、
動く候補航跡へ。

パッシブ観測では、ある時刻の方位だけを測っても対象までの距離は分かりません。TMAでは複数時刻の方位、自艦の位置と運動、対象運動の仮定を組み合わせ、位置・針路・速力の候補を繰り返し評価します。

1回の方位観測線上のどこか

近い点も遠い点も同じ方位に見えます。

複数時刻の観測候補を比較

時間変化に合う航跡を残します。

自艦運動を加える幾何を変える

観測条件を変え、候補差を見やすくします。

TMAの出力推定+不確かさ

唯一の正解ではなく信頼範囲を持つ推定です。

INTERACTIVE CONCEPT LAB

観測を増やして候補航跡を絞る

教材用の単純化モデルです。青が自艦、橙が対象の教材上の真値、水色の線が各時刻の方位観測、半透明の領域が推定の不確かさを表します。

自艦航跡対象の教材上の真値方位観測線推定領域
推定のまとまり65%
不確かさの目安±35%

自艦運動によって方位線の交差角が変わり、候補差を見分けやすくなっています。

ESTIMATE → COMPARE → UPDATE

TMAは一度の計算で終わらない

  1. 01仮定する対象の初期位置、針路、速力の候補を置く
  2. 02予測するその候補なら各時刻に何度へ見えるか計算する
  3. 03比較する予測方位と実測方位の差を評価する
  4. 04更新する差が小さくなるよう候補と不確かさを更新する
推定したい量

位置・針路・速力

観測履歴と仮定に最もよく合う候補を求めます。

必ず残るもの

誤差・複数候補

雑音、少ない観測、似た幾何条件では候補が広がります。

一緒に使う情報

LOFAR・BTR・環境

接触の対応付けや観測の信頼性を別の特徴でも確認します。